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2007年秋号(Vol.o35)/03


新規事業立ち上げは人選から

〔 株式会社ワイズサービスコンサルティング 矢田 祐二 〕



 どんな事業でもいつかは必ず陳腐化します。企業にとって新規事業立ち上げとは、必要不可欠な将来への投資です。その新規事業の立ち上げ成功のポイントを紹介します。

■新規事業には「応援」と「宣伝」が必要
企業にとって必要不可欠なはずの投資も、既存の事業からすると「無駄」「馬鹿げている」「社長の道楽」そして「食わせてやっている」と露骨ではないにしろ反対にあうことがあります。新規事業とはアイディアを形にする過程です。理論で固められた既存の事業からすると許しがたいモノなのかもしれません。
また、新規事業はどんなにリスクヘッジをしても賭けであることは否定できません。あるデータでは、起業し3年間生き残った会社のほとんどが起業時とは別の事業をしているとあります。新規事業ではリスクを回避するという発想ではなく、それを乗り越えて事業を作り上げていく決意が必要です。
それゆえに、新規事業には「応援」と「宣伝」が求められます。つまり特別扱いです。経営者は、ことあるごとに新規事業の広報(社内、社外)につとめ、チームの挑戦を称えることで、メンバーの不屈のモチベーションと社内の協力体制を引き出します。

■新規事業はリーダーの人選から始まる
新規事業のリーダー人材には、次のようないくつかの条件があります。
@起業家精神がある:もともと起業家精神があり自分で事業を始めるかどうか迷っているような人です。こんなタイプには、積極性、情熱、そして楽天的な要素があります。
A溝に手を突っ込み金を拾う力:変なたとえですが、目的のために貪欲である人です。上品さやスマートさは必要ありません。とりあえずは売上げを上げることです。たまに、売上げもまだなのに、その先の税金や内部書類を気にする人がいますが、まずはスタートの売上げを早く掴み取ること。事業はそこから始まるのです。
B少ない情報でも行動できる人:ある程度の情報を得たらどこかで「えい!やあ!」と見切りをつけてやってみる人、評論家でなく理論を行動に移せる人です。間違えたらすぐに方向転換すればいいのです。
C事業に合った個性の持ち主:人のやる気と能力は、自分の得意(個性)のうえに築かれます。人は自分の得意のなかでこそ、困難(本人は感じない)と長時間労働に耐えられるものです。

■次は、チームをつくる
新規事業のチーム作りの基本は、次の二つです。
@専任のメンバーで構成する:事業立ち上げには脳を24時間働かせ続けるメンバーが必要です。アイディアや知恵というものは、考え続けた人だけに降ってくるものです。間違っても兼務ではいけません。また、新規事業で立ち上げた商品を本体の営業部に売らせようという魂胆もいけません。本体はすでに経験も実績もある売りやすい商品を売るのみです。本気になるはずのない人に期待するのはやめましょう。
A複数でスタートする:ロケットの発射時にはパワーがいりますが、多くの企業では、社長と一人のリーダーで事業を立ち上げます。そのリーダーが指示待ち人材でなければ、これは最強チームとなりますが、時間がかかりすぎるという面があります。その間、その優秀な社員の給与と機会損失がコストとなります。したがって、事業は複数でスタートすべきです。(それか社長一人で始めることです。)

■人選が最大の「応援」と「宣伝」
人選(特にリーダー)が社内への強烈なメッセージになります。社内ではその人選により会社の本気度をみています。そして「あの人ならば」ということで協力度も違います。
本当に優秀な人材は、きっと既存の事業でも稼ぎ頭でいるしょう。その人材が新規事業にも必要です。逆に、それが厄介者や新規に雇い入れた者では「応援」も「宣伝」もできないため、事業の失敗は目に見えています。
新規事業では人選がすべてです。しかるべき人がいて初めて新規事業に進めることができるといえます。



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