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2007年春号(Vol.o33)/03


組織風土は会社の強さ

〔 株式会社ワイズサービスコンサルティング 矢田 祐二 〕



■強い組織の風土とは           
 強い組織の条件には、いくつかの共通する要素がありますが、その一つに組織風土があります。強い組織の風土には、以下のように三つの特性を見ることができます。
 まず第一に、「信頼性」すなわち「信頼性を重んじる風土」です。組織は、信頼性の土台があってこそ機能します。
 信頼性を感じることができる組織では、安定感や安心感を持って働くことができます。そのような組織には、次のような特徴があります。
@1人ひとりの社員は、商売とは顧客との信頼性を築くことであると認識している。
A部署間の仕事の受け渡しの中では、信頼性を意識してコミュニケーションを取っている。
B人事制度が組織全体の信頼性を高める機能をしている。(逆に人事制度が組織の信頼性を損なっているケースが非常に多い。)
 次に「素直さ」です。組織は、素直な情報や素直な意見があってこそ適切な運営をすることができます。
 ほとんどの社員が、発表された実行計画を「無理」「ムダ」と感じていながら、承認されてしまうように、「素直さ」を欠くことが組織のいたるところで習慣となり、社員の気力、判断のスピード、未来の売上につながるアイディアなどを日々大きく損なっています。
 本当のことや本音を言うには、勇気とパワーがいります。だからこそ、組織風土は「素直さ」を追求する必要があります。『正直者がバカをみる』ような会社で素直でいられる人などいるはずがありません。
 最後に「責任感」です。当たり前ですが、組織の根底は責任感にあります。
 顧客に約束した品質を提供する責任感や会議で決議したことを次回までに実行する責任感など、多くの人間が共同で働く会社では、責任感に裏づけられた約束により機能しています。目標値一つ取ってみても、責任感のある組織ではその目標値に重みがあり、皆な必死に取り組んでいます。しかし、責任感のない組織では目標が非常に軽くなる傾向があり、「その目標をなんとしても実現させなければならない」という空気を感じることはありません。

■組織風土をつくるために         
 組織風土をつくるためには、先の「信頼性」「素直さ」「責任感」以外に「和気あいあい」「挑戦」「堅実」「スピード」など、まずは目指すべき風土、すなわちビジョンを思い描く必要があります。そして、そのビジョンに向かい社内の施策や人事制度を構築します。その後は次のことを徹底的に実行し続けます。
@価値観を発信する−ビジョンとする風土とは、価値観のことでもあります。自社の目標とする価値観を、朝礼、表彰、イベント、教育、評価、処遇など、ありとあらゆる方法で社内に発信します。
A見本を見せる−教育の基本は見本です。まずは、経営者及び管理者が見本となり、やってみせることが必要です。
B繰り返し言う−継続性のない、決められたことが実行されない組織には、時間が経つと誰も口に出さなくなるという特徴があります。そのような組織では、社員はいつも「今回の決定は本物だろうか、またいつものように思いつきだろうか」という目で見ています。
C報酬を与え与えない−できた者には報酬を与え、できない者には報酬を与えない。当たり前のことですが、「顧客との信頼性を大切に」と掛け声を上げても、多くの企業では現実にはそれに反する行為をしている社員を罰することもなく、変わりなく報酬を払い続けています。これでは、価値観が正しく伝わることはありません。社員は、褒美をもらえる限り、その行為を繰り返します。

■組織風土を育て人を育てる       
 組織風土は家庭と同じです。信頼性・素直さ・責任感において成熟した風土は、成熟した人を育みます。
 人材育成とは、人を育てるというよりも、組織風土を育てることだと考えるべきです。そう考えると、本当に取るべき手が見えてきます。




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