|
■はじめに
社員が生涯を通じて充実した職業生活を営むためには、仕事と育児や家族の介護とを両立させつつ、その能力や経験を活かすことのできる職場環境の整備が求められてきました。これを受けて育児・介護休業法が制定され、育児休業については平成7年に、介護休業については平成11年に、それぞれ就業規則への規定が義務づけられています。
そしてこの度、次世代育成支援対策において大きな課題となっている仕事と家庭の両立支援をより一層充実させるため、国会に改正法案が提出されました。今回の改正案は企業に具体的な対応を求めるものであり、改正内容の正確な理解が欠かせません。
■改正案の概要
今回の改正案の項目は次の通りです。
@ 育児・介護休業の対象労働者の拡大
これまで育児・介護休業の適用除外とされていた期間雇用者のうち「申出時点において、継続雇用期間が1年以上」あり、「子が1歳に達する日を超えて雇用が継続することが見込まれる(申出時点において子が2歳を経過する日までに雇用契約が終了することが明らかである場合は除く)」者については新たに対象に含める。
A 育児休業期間の延長
これまで1歳を限度としてきた育児休業期間について、1歳到達時点で保育所への入所ができない等特別な場合には、更に6カ月を限度として引き続き育児休業を取得できる。
B 看護休暇の義務・不利益取扱いの禁止
小学校就学の始期に達するまでの子を養育する者に対し、年間5日を限度として、傷病の看護のための休暇を権利として認め、併せて休暇を申出たこと、取得したことを理由とする不利益取扱いを禁止する。
C 介護休業の取得回数制限の緩和
介護休業は、対象家族1人について原則1回、3カ月を限度とされていたところ、対象家族1人について要介護状態ごとに1回、通算93日の範囲内で休業できることとする。
■今後の留意点
今回の改正案で企業にとって最も影響が大きく関心が高いのは、期間雇用者の育児・介護休業の問題です。なぜなら、現在企業は長引く不況により正社員を削減し、パート社員、契約社員、嘱託社員等、雇用の多様化を進めており、今後相当数の期間雇用者の休業取得者が見込まれるからです。企業はこの改正案の対応として、期間雇用者から申出があったとき、その期間雇用者が前述の休業取得の要件に該当するかどうかをその都度、正しく判断する必要があります。
そのためには、今回の改正内容の十分な理解と日頃から期間雇用者との契約を適正に管理していなければなりません。
なお、この改正案の施行日は平成17年4月の予定ですが、法案の成立日によっては修正される可能性もありますので、ご注意下さい。
|