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2004年春号(Vol.o21)/01


解雇のルール

〔 セントラル社労士法人 西垣 太志 〕



■改正の趣旨                
 現在、一部では、解雇は会社の自由であると思っている使用者や、何らかの理由があれば常に解雇という厳しい措置がとれると考える使用者も多いことから、合理的な理由のない解雇や行き過ぎた解雇も見られます。
 しかし、一方では、日本でいったん社員を雇用すると実質的に解雇はできないものと考える使用者もいることから、解雇に関するトラブルが増えています。
 このような解雇に関するトラブルが増大している現状や解雇が社員に与える影響を考え、解雇に際してのトラブル防止とその解決を目的として、労働基準法に最高裁判所で確立している「解雇権濫用法理」を平成16年1月1日から明記することになりました。

■解雇権濫用法理とは           
 「使用者の解雇権の行使も、それが客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には、権利の濫用として無効になる」と昭和50年の最高裁判決(日本食塩製造事件)において初めて示されたものであり、その後の判例でも踏襲され、確立されているものです。

■解雇ルールの明文化           
 解雇についての事前の予測可能性を高めるために、就業規則の中に平成16年1月1日から「解雇の事由」を記載しなければいけなくなりました。そして、雇用契約の締結に際し、使用者が書面の交付により明示すべき労働条件のうち「退職に関する事項」に「解雇の事由」を記載しなければいけなくなりました。
 また、解雇される社員は、解雇前においても、使用者に対し、解雇の事由について証明書を請求することができるようになりました。
 これにより、解雇の理由が書面に記載されるため、客観的に合理的でないと認められない場合、不当解雇と判断されます。

■その他の留意点             
 今回の解雇に関する法改正は、労働者保護が目的として見られていますが、反面、就業規則や採用時の労働条件明示文書で「退職に関する事項」について明確にすれば、使用者も解雇に関するトラブルを起こすことなく、解雇手続きをスムーズに処理しやすくなりました。
 そのためには、この法改正をしっかり理解し、解雇に関する就業規則・雇用契約書の見直しを行い、社員に再度周知させてください。
 しかし、「就業規則を見直しても、社員に周知させていない」場合や「変更後の就業規則を労働基準監督署に提出してない」場合は、就業規則の見直しを実施したとはいえません。
 しっかりと決められた手順で就業規則の変更・雇用契約の見直しを行い、未然に防げるトラブルは避けてください。



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