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Q1 メンタルの問題を起こしやすい性質の人というのはいるのでしょうか?
メンタルの問題、特にうつ病などは、その人の性質に限らず誰でもがなり得るものです。ただ、なりやすい性質というのが指摘されているのも事実です。ざっと羅列すると、以下のような特徴があるといわれています。
うつ病になりやすいといわれる性質は・・・
まじめ/几帳面でいつも何にでも完璧を目指す/他人任せにできない/職人気質/自分の能力の範囲できちんと仕事をする/1つの物事に執着する/かたくなで柔軟性に欠ける/他人の評価に対して過敏に反応する/自己否定的な考えをする/悲観的な見方をしがちである/二者択一で白か黒か/100点か0点か/すべてをいっぺんに片付けようとする/優先順位の設定ができない/自尊心が低い/感情の表現がへた/自分の思っていることをなかなか口に出せない などなど
・・・・・結局、誰でもうつ病になる性質は持っている
Q2 明らかにストレス度合いが高まっているのに医者に行かない社員がいるのですが?
ストレス度合いの高まりをどのように判断するのかが、まず大事なポイントと言えるでしょう。顔色が悪く元気な状態なのか、集中力の低下や業務上のミスが目立つ状態なのかなど、表面化している問題の性質によってアプローチの仕方が異なってきます。体調不良を取り上げる場合は、まずは社内の産業保健スタッフにつなぐことができたら理想です。
管理職が「君のことが心配なんだ」という気持ちをもって「健康管理室の産業医に会ってみたらどう?」とつなげることができたら、大抵の社員は「分かりました」と頷いてくれるはずです。ちなみにEAP(Employee
Assistance Programの略。くわしくはQ4で説明。)では、どのようにして社員を医者につなげるのか、この「つなげ方」を相談できる点が大きな特色です。
・・・・・医療機関に“つなぐ”ことを考えよう
Q3 上司がストレスの原因で人事にも話せないとき、どうしたらよいでしょうか?
本来、相談相手となり得る上司が、逆にストレスの源となっている場合、社員は非常に過酷な職場環境に置かれてしまいます。人事にも相談しにくい場合、社内で誰に相談できるのかを見つけて行くことが重要です。誰にも話せず、一人で抱えている状態は、メンタルヘルスの観点からも危険性が高いといえます。
どうしても社内には相談相手がいない場合、もしくは社内の人に相談することに抵抗がある場合には、社外に外注している専門機関(EAPや健康保険組合が契約している電話相談など)があったら、そちらの方に相談してみるのもよいと思います。プライバシーの観点からも安心して相談できる相手を見つけることが大事です。社内の産業保健スタッフ(産業医・保健師・看護師・臨床心理士・産業カウンセラーなど)を活用することも有効でしょう。
・・・・・非常に過酷な状態。相談者を見つけること
Q4 EAPとは何をしてくれるところなのですか?
EAPとはEmployee Assistance Programの略称であり、一般的に「従業員援助プログラム」と訳されています。例えば、職場の人間関係に問題があったり、家庭において子供が不登校であったり、心配事があったり精神疾患に罹患していたりしてメンタルヘルスが良くないと、当然社員は仕事にも身が入らなくなり、業務のパフォーマンスは低下してしまうでしょう。そういった問題を早い段階で専門相談につなげて社員や家族のメンタルヘルスを高め、結果として社員の業務のパフォーマンスを上げていこうとするのが、EAPの主な目的です。相談サービス・研修・組織コンサルティングなどを包括的にアウトソーシングで提供するのが、外部EAPのサービス内容となっています。
・・・・・業務のパフォーマンスを上げる手助けをEAPは行う
Q5 実力主義・プレイングマネージャーの多い組織とうつ病の関係とは?
成果主義を導入している組織においても、経営戦略の明確化、長期的な育成・活用を重視した人的資源ポリシー、社内公募制度など、社員に一定の職務選択を認める制度の設計などの対応が取られているかどうかが、従業員のストレス反応を低減する要因となるという研究結果があります。実力主義が必ずしもうつ病を増加させるわけではなく、上司・部下間で適切なコミュニケーションを持つことが、うつ病の予防には重要といえます。逆に言うと、プレイングマネージャーが部下と十分にコミュニケーションをとれない状況にある場合、部下にうつ病罹患のリスクが高まる可能性があるといえるでしょう。
・・・・・社員と上司のコミュニケーションがうつ病を減らす
Q6 昇進してがんばっていたのに、突然出社できなくなった管理職がいますが、そのようなケースは多いのでしょうか?
変化というのは、大きなストレス要因になります。異動や昇進は、職業生活において大きな変化をもたらします。本来は喜ばしいはずの昇進が、責任が高まり、部下に関する指示・指導・業務割り当て・コミュニケーションなどが業務負荷となって、欠勤やうつ病などにつながるケースが、30代なかばの社員に増えています。割り当てられた自分の業務をコツコツと行っていれば良いというスタイルではいられなくなり、対部下に関することでの業務負荷が高まることが大きな要因と考えられます。
・・・・・昇進をきっかけに体調を崩す人は少なくない
Q7 上記のような場合、部下としてはどのような対応をしたら良いのでしょうか?
部下として、上司のメンタルの問題に対応するのは、非常に難しい側面があると思います。上司が会社に来られずに不在がちの場合など、業務上の支障も発生してくることが考えられます。実際の対応に関しては、その上司の上司から指示を仰ぐ必要があるでしょう。出社してきた上司とどのように付き合うのが良いかという点に関しては、社内の産業保健スタッフに相談をしてみるのが最も適当と思われます。部下一人一人が自分の判断で対応するのは、対応の一貫性に欠けてしまう恐れもあります。関係者間で対応を統一することが大切です。
・・・・・対応を統一できるように部下間でも話し合う
Q8 うつ病なのか甘えなのか分からない人がいますが?
近年、特に若手社員の中で、「几帳面で生真面目で責任感が強く完璧症で愚痴を言わずに頑張ってしまう」という、いわゆるうつ病になりやすい性格(メランコリー親和型性格)とはやや様相を異にした「逃避型抑うつ」といわれる症状を呈する人が増えています。仕事以外のことなら意欲を持って楽しく取り組めるのに、仕事で嫌なことがあるとすぐに逃避をしてしまい「やる気がしない」「面白くない」「仕事に行きたくない」という症状を生じさせるのが特徴です。自己中心性・自己愛性が高く、周囲としても「本当にうつ病なのか?」「甘えているだけなのでは?」という印象を持たれることが多くなっています。
・・・・・“逃避型抑うつ”の疑いもある
Q9 その場合、どんな対応が必要でしょうか?
「逃避型抑うつ」が精神疾患なのか、性格の問題なのかは、議論が分かれるところですが、不眠などを呈している場合はやはり専門家に相談する必要があります。こういった若手社員に対してどのように接したら良いかは、管理職としても非常に迷うところでしょう。周囲のスタッフからも「あいつには、もっと厳しくした方がいいんじゃないですか!」と突き上げを食らったりと、管理職自身が対応に苦慮する可能性も高いと思われます。管理職自身が相談できる専門家を持つことと同時に、特に労務管理については、就業規則などの明確なルールに沿った形で行う必要があります。
・・・・・専門家に相談するのが一番
Q10 簡単にうつ病という人が増えていて対応に困っているのですが?
「簡単に」というのが、「こちらの大変さも分からずに」という管理職の心情を示しているのか、社員が本当に簡単に「私はうつ病です」と言って来ているのか、なかなか判断が難しいところです。
昨今は、うつ病患者が年々増加している状況ですので、どの企業でもうつ病の社員が増加していて全く不思議ではないといえます。ただ、筆者の相談機関でも「明らかに怠けているとしか思えないのに、精神科に受診をして『うつ病』という診断書を提出してくる」といった相談を人事スタッフから受けることも実際に多くなっています。この場合、会社側と主治医との連携が非常に大事になってきます。主治医とうまく連携を行うことが対応のコツといえるでしょう。
・・・・・主治医の意見も聞いてみることが大切
Q11 子供の不登校や親の介護、配偶者のことで仕事に影響が出ていると思われる場合、会社はどこまで介入すべきでしょうか?
例えば、社員の家族に健康上の問題があり、社員が家族の面倒を見ながら仕事をしているような場合には、仕事のストレスと同時に、家庭でも負担がかかってしまうことでしょう。同時に、その社員が毎日夜遅くまで家事を行い疲労が蓄積している場合には、当然仕事にも支障が出てくることが予想されます。ただ、社員としては家族のことで上司や社内の産業保健スタッフに相談するのは抵抗があるでしょう。
会社側としては社員の「疲労の蓄積によって仕事に影響が出ている」とういう現象に対して業務軽減などの対処を行うことは可能でしょうが、背景にある家族問題を直接サポートすることは困難といえます。家族のことに関しては、直接社内のスタッフが対応するよりも、外部の専門家に委託する方が適当と思われます。
・・・・・直接の介入は難しいので専門家に依頼を
Q12 休職せずに、仕事をしながら回復するような場合もありますか?
休職をせず、仕事をしながら通院をして、回復する場合も当然あります。ただ、その際も受診・服薬だけしていたら回復するかというと、それは結構厳しい場合が多いといえるでしょう。
精神疾患になってしまった場合、自分でも思うように仕事が進まず「こんなはずではないのに」と焦りを感じたり、周囲のスタッフに迷惑をかけているのではと考え「皆に申し訳ない」と罪悪感を抱いてしまうことも多くなっています。仕事を続けながら回復を目指す場合には、自らの病気や通院状況を管理職や人事担当者には知っておいてもらい、業務上の負荷(業務量・責任性など)を軽減すると同時に、周囲にも理解をしてもらうことが早期回復に必須となります。
・・・・・業務を軽減し、周囲の理解を得ること
Q13 休職・復職支援が思ったよりも大変なのですが?
社員が休職になってしまった際、管理職は自らの業務に加えて、例えば休職してしまった社員の担当業務を振り分け、休職期間中の社員との連絡、復職にかかる職場調整と業務割り当て、迎える同僚に対しての説明と配慮を求める関わりなど、様々な付加的業務が発生します。自分自身が忙しい状態なのに、部下に休職が発生してしまうことで、より大きな負担を得てしまうことが往々にしてあります。管理職が感じるその負担は休職者本人には気づかれないようにする配慮も必要でしょう。そういう意味からも、くり返しになりますが、部下の休職・復職に関して管理職自身が相談できる専門家を持つことが不可欠だといえます。
・・・・・管理職もメンタルの専門家に相談することが大切
Q14 産業医との連携の取り方で気をつけることはありますか?
産業医の役割は、労働安全衛生法などによって定められておりますが、実態としては各会社によって産業医の機能が異なっているといえるでしょう。メンタルの問題に関しては、特に産業医は休職者の復職可否に関して、その判断を求められる場合が多いと思います。社内で産業医と直接やりとりできる仕組みが確立されていれば良いでしょうが、企業によっては産業医のアクセシビリティがよくないところもあります。基本的には、人事部や健康管理室など、産業医と連携を取りやすくしてくれるコーディネーターを確保し、そのコーディネーターと連携を取るのが効果的と思われます。
・・・・・連絡がとりにくい場合はコーディネーターを使って
Q15 休職している社員がいる部署の運営について、気にかけておくべきポイントはありますか?
休職者が発生してしまうと、休職者の業務引継ぎなど、部署内は結構大変になってしまうものでしょう。負荷の増大によって、更にうつ病者を発生させてしまうこともあります。休職の背景にある疾患が、業務によるものなのか、社員の個人的な問題によるものなのかは、ある程度の見極めが必要です。例えば、部署全体で恒常的な長期間労働があったり、部署のリーダーが高圧的な人で実はスタッフ皆が困っていたりなど、明確な要因が見出せる場合には早急に具体的な対処が必要といえます。大事なポイントとしては、部署のリーダーがスタッフにヒアリングを行い、「君は大丈夫?」「何か私の方でサポートすることはある?」と状況把握を行うことが重要です。
・・・・・休職理由を見極め状況を把握
Q16 復職可能の見極めはどのようにすればよいのでしょうか?
復職可能の見極めは、まず本人の復職の希望、主治医の復帰可能という判断の2つを前提にして進められていきます。その上で、本人の状態に対する会社の産業医、職場の管理職、人事部門の総合的な見解を元にして、実際の復帰が可能かどうか決められていくものです。医師としても、その社員が本当に復帰可能かどうかというのは、実際のところは「やってみないと分からない」という側面も大きいようです。
だからこそ、主治医・産業医による本人との面談は元より、人事・管理職とも直接面談の機会を設けて、総合的に判断を行っていくことが、復帰後のトラブル予防につながるといえるでしょう。
・・・・・面談を重ねて総合的に決めること
Q17 慣らし勤務のためのポイントは?
慣らし勤務とは、職場復帰の際に会社側がある一定期間、勤務を軽減した形で社員を勤務させる勤務体系のことです。会社によって、慣らし勤務期間を設定しているところもありますし、慣らし勤務は認めず、他の社員と同様の勤務が可能になってから復帰を認めている会社もあります。慣らし勤務を設定する際には、慣らし勤務の期間設定、期間中の勤務スケジュールと業務内容の明確化、勤務不能と判断するポイントなどを関係者で共有しておき、慣らし勤務期間中はある程度定期的に管理職や人事、産業保健スタッフと本人とで面談機会を設け、モニターを行うことがポイントになります。
・・・・・スケジュールや判断基準について共有化を
Q18 復職にあたって職務を減らしたのを周囲がよく思っていないようですが?
管理職の方から「社員に疲労が見られたので予防的観点から業務を減らしたら『健康に仕事をしているほど仕事量が増えて行くのは、健康でいることがバカらしくなる』と他の社員に言われてしまった」との相談が寄せられることがあります。
職場の状況が大変であればあるほど、一人の業務を減らすことで、ただでさえ忙しい他のスタッフに負荷がかかってしまうため、調整が難しいところでしょう。疲労が見られている社員の業務軽減を行う場合には、その社員の了解をもとにして、周囲のスタッフに十分な説明を行い、丁寧に理解を求めるプロセスが必要といえるでしょう。予算の関係で補充が難しいのであれば尚更のこと「状況説明」と同時に「改善の見通し」について説明を行うことが重要になると思われます。
・・・・・状況をできるだけ他の社員にも伝える
Q19 メンタルヘルス一般についての理解を深めるため、管理職教育をしたいと考えています。効果的な方法はありませんか?
昨今は、管理職自身が非常に忙しい状況と思われます。他にも読まなければならない資料が山積みだったり、勉強しなければならない内容がいろいろとあるなかで研修の時間を取るわけですから、研修では管理職の方が興味深く参加できて、かつ管理職の負荷を軽減するような内容でなければならないと考えます。メンタルの研修は費用の高い外部講師を使って長時間の研修を行う必要はなく、短い時間でも管理職にとって「お土産」になるものを提供してもらうことが重要です。特に、研修講師が直接管理職の相談に応じられるような仕組み(社内産業保険スタッフによる研修、EAPによる研修など)が、効果が高いといえるでしょう。
・・・・・管理職の負荷軽減を目的とする内容にするとよい
Q20 会社契約であるEAPは、社員寄りでなく会社側の立場として力になってくれるということですが?
社員は会社に所属して労働による対価を得ているわけですから、社員の問題を考えていく際、会社を念頭外に置いて対策を行っていくことは不可能です。EAPが目指すのは、社員が安心して自らの能力を十分に職務に発揮できるように支援することです。社員が十分に能力発揮できることが会社の利益になり、会社が社員をサポートすることによって社員は安心して職務に専念できるものと考えられます。社員の意向と会社の意向がズレてしまうと、社員側にも会社側にも不利益が発生してしまうことになります。
EAPは会社側の立場もしくは社員の立場のどちらか一方にしか立たないということはなく、会社の立場と本人の立場の両者を上手に調整していくことが重要なミッションになっています。調整が困難な場合も多いのは事実ですが、目指していくのはあくまでも双方の納得です。
・・・・・両者を上手に調整していかないと良い方向にいかない
Q21 実家の親の介護で、いわゆる「介護うつ」になっている社員がいます。こういう仕事以外の問題も相談できるのですか?
相談可能な問題は、業務関連の問題に限られているわけではありません。実家の問題、親の介護問題なども相談が可能です。社員にとってみたら、自分の親に関する心配事は非常にエネルギーを費やす問題といえるでしょう。介護問題によって疲れ切ってしまうことで、仕事にも支障をきたしてしまうのは、会社の損失にもつながります。
実家の親自身が直接EAPに相談可能かどうかは、それはEAPを提供しているプロバイダーのサービス内容、もしくは契約内容によっても異なる場合がありますが、実家の問題を社員自身が相談するのは、もちろん可能です。ちなみに、日本においてもほとんどのEAP機関において、一定範囲の家族(「同居2親等まで」など)はEAPを利用できるようになっています。
・・・・・仕事に支障をきたせば会社の損失になる
Q22 やる気が見えて、積極的な発言のあった若手を採用しましたが、仕事をしません。働くということに対応できない様子で、試用期間が終わったところから休みがちになってしまいました。人事部のメンタル部分のチェックが甘かったと配属部署から言われてしまいましたが…。
このところ、いわゆる「メランコリー親和型」といわれる、「まじめで几帳面で、自分よりも人のために尽くしてしまい、愚痴を言わずとことんまで頑張ってしまって倒れてしまう」という、昔ながらのうつ病のタイプは減少傾向にある印象がしています。特に若年層(20代中盤から後半)では、困難を乗り越えようとするのではなく逃避してしまう「逃避型抑うつ」や、特定の場面から引いてしまう「アパシー」など、自責傾向があまりなく、人のせいにしてしまう、個人主義者・自己愛的な人も増えていることが指摘されています。
よく人事担当者から「採用段階で、ストレスに弱い人を見つけ出す方法はないの?」と質問されますが、チェックリストで発見するのはなかなか難しいのが現実です。企業としても就業規則や人材育成の方法を見直す時期に来ているのかもしれません。
・・・・・若年層に逃避型抑うつという症状もみられる
Q23 うつ病の問題に積極的に対応していた人事部員がうつ病になってしまいました。うつ病患者の近くにいると引き込まれてうつ病になってしまうようなことがあるのでしょうか?
このところ、メンタルヘルス対応で疲れ切った人事担当者から連絡を受けることが多くなっています。メンタル不全を抱えた社員の上長が「余裕がないから、とにかく本人を他に異動させて欲しい」と何度も訴えてきたり、うつ病社員を復職時に人事で預かって様子を見たりなど、様々な負荷が発生しているように見受けられます。
直接うつ病の社員と話をする機会が増えることで、無力感・自己否定感が乗り移ってくるような感覚を持つ人事の方も結構います。うつ病患者は「自分がどうにもならない」という感覚を持っている場合が多いわけですが、それに対して人事が「どうにかしてやろう」と関わっても、当然そう簡単にうつ病患者を良くすることはできません。そうすると、意欲的な人事担当者ほど無力感を味わってしまうのです。ここは注意が必要です。『本人に良かれ』と思っていろいろやってあげたのに、良くなってくれないと不満を持たないように関わるということが大事なポイントになります。
・・・・・簡単に治してあげることはできない
Q24 復職後の周囲の対応について、教育しておくべきポイントはありますか?
うつ病に罹患してしまった社員が休職をして復帰をしてくる際、大抵の場合、復帰直後はある程度業務量を軽減して職場に迎え入れる必要があるでしょう。ただ、休職していた本人は、まだ万全でないにも関わらず、「皆に迷惑かけた」との思いで、なんとか挽回しようと頑張ってしまうことが多々あります。その結果、再度具合が悪くなってしまうこともよくあるケースです。
休職者を迎え入れる際には、その社員の承諾を元に、管理職から周囲のメンバーに対して本人の状況をある程度伝えておくのが好ましいといえます。その際、管理職が「皆も体調は大丈夫?」「うつ病は誰でもがなる得る病気だよ」「これまで通り普通に接してもらったらいいけど、当面無理をさせないように」と、その社員のことと同時に、部署のメンバーにも対しても配慮と啓蒙を行うことができたら理想です。
・・・・・業務軽減が回復に必要なことを理解してもらう
Q25 人員的にも金銭的にも余裕がありません。幸い今はうつ病を発症する社員はおりませんが、何か対策をしないといけないと思っています。人事としてやっておくべきことはありませんか?
メンタルヘルス対策の必要性はわかるけど、「予算がないので何ともしがたい」という声はよく耳にします。もし対策の必要性を感じているのであれば、特にお金をかけなくてもできることはいろいろとあるでしょう。例えば、本文中で紹介している職業性ストレス簡易調査票は、中央労働災害防止協会のホームページ上(http://www.jisha.or.jp/)でも実施可能です。社員に紹介を行い、実施するよう促すことも可能と思います。
本来メンタルヘルス対策は、何も「メンタルヘルス対策」と銘打ってやる必要はないと思っています。企業において適切なマネジメントを追求することが、最大のストレス対策だと言えるでしょう。ただ、そうも言っていられないのも現実かと思います。厳しい職場環境にある現在、想定されるリスクを考えたらEAPの予算は高くないとおもいます。
・・・・・適切なマネジメントがストレス軽減につながる
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