| 1.会社は多くのリスクを抱えている。このリスクの緻密な分析・検討しなくては、経営自体が成り立たなくなって来ている。経営上の判断の際に必要なのが「取るべきリスク」と「取れないリスク」を明確に選別する力量である。
法的リスク克服策の第一は、相手方の同意を得られるか否かの見極めである。次に、相手方の同意を得られない場合は、同意を得たと同様の法的効果を生じさせることが重要となる。人事労務の分野で言えば、社内の規則規程類の整備がこれに当たる。
最高裁は就業規則の効力について「・・・当該就業規則条項が合理的なものである限り、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒否することは許されない」と述べているが、規定の合理性とは、大義名分を構築し、必要性を明確にすることから始まる。秋北バス事件(最大小昭和43年12月25日)以来、合理性のある就業規則は「労働契約の内容となる」との解釈が定着したといえる。会社の労務管理の意思は、合理性のある就業規則の下で発現・伝達されて労働契約化し、それによって、労務管理が円滑に推進される。
故渡辺美智雄氏は官僚を前に「大事(だいじ)は『七分の道理、三分の無理』で成る。君たちは道理を徹底的に追究しろ」とゲキを飛ばしたそうだ。無理と思える現実の中にも価値観の変容を察知する鋭敏な感覚を持ち、紛争予防の視点に立った合理的かつ創造的就業規則を目指し、積極的にリスクを乗り越える力強い経営をしよう。リスクを回避することのみに神経質になっていては、会社の発展はありえない。
(参考)
リスク管理の三原則
@リスクを招き寄せない。
Aリスクの前兆が見えたらつぶす。
Bリスクが現実のものとなったときの対応策を考えておく。
2.社員は、一人ひとり個性が異なる。だからこそ、ベクトルを合わせ組織力を高めるために理念や就業規則が必要となる。
3.2:6:2の法則がある。会社の上位2割は、管理されなくとも自分でやれる人たち。中位6割は、管理されるとやれるが、管理されないとやれない人たち。下位2割は、管理されてもやれない人たち。会社は、やれる者が8割なら勝ち組に入り、やれない者が8割なら負け組に入る。就業規則は、中位6割を管理し、やれる者を8割にする管理ツールの一つである。
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